助産師さやえんどうです
16年目の現役助産師です
今回は、経腟分娩をするために大切な『分娩の4要素』
についてお話しします
無事に経腟分娩するためには、今からどんなことを気を付けたらいいの?
どうしたら順調にお産が進むの?
と、出産をご心配の皆さまへ
こちらの記事を読むと、
- 経腟分娩に必要な要素とは何か
- 必要な要素のために気を付けたいことは何か
がわかります
では、始めていきましょう
経腟分娩をするために大切な4要素
私たち助産師は学生の頃、『分娩の4要素』を習います
4要素とは、
です
私が助産師学生だった頃は「分娩の3要素」で習ったけれど、
ここ数年「精神」が追加されて『分娩の4要素』となったよ
では、一つずつお話していきます
この4要素が分娩に大きな影響を与えます
難しく言うとこうなのですが、
つまりは、
陣痛などを使って、赤ちゃんや胎盤などを、お母さんの産道を通って外へ出す、ことですね
この一連の作業をこなすために
『分娩の4要素』がひとつでも欠けてしまうと
進まなくなってしまうのです
分娩の4要素
娩出力
つまり、
「陣痛」と「お母さんのいきむ力」のことです
陣痛とは、
自分の意志ではコントロールできずに反復しておこる子宮筋の活動のこと
お母さんのいきむ力とは、
自分でコントロールして赤ちゃんを出そうとする力です
どちらか片方だけではいけません
「陣痛」と「お母さんのいきむ力」がうまく作用して、
良い「娩出力」となるわけです
産道
赤ちゃんや胎盤などが通る道です
骨盤はわずかですが可動性があります
こちらの記事でも詳しくお話しています
軟産道は特に赤ちゃんの直接的な通り道です
出産が近づくにつれて徐々に熟化していきます
これら産道の状態が、経腟分娩には大切です
娩出物
つまり、
赤ちゃん、胎盤、臍帯、羊水、卵膜のことです
赤ちゃんの向きや成長、
胎盤や臍帯の位置や状態、
羊水の量など、
娩出物の状態が経腟分娩を左右します
精神
前述したとおり以前は3要素でしたが、
お母さんの精神状態も分娩のために必要なものであると
考えられるようになりました
身体や赤ちゃんの状態が良くても、
お母さん自身の精神状態が乱れていては
分娩に大きく支障が出ます
では、この4要素がうまく機能するために
できることを考えてみよう!
『分娩の4要素』のためにできること
呼吸法を練習しておく
痛みや不安を感じると、人は呼吸が早くなります
「陣痛の痛みを受け入れて、陣痛と共同して産もう」とすることが
出産には大切です
そのために、どんな状況でも呼吸法を自然にできるよう練習しておきましょう
呼吸法といっても難しく考える必要はありません
「ゆっくり口から息を吐く」
これだけです
息を吐けば人は自然と息を吸います
普段から息をゆっくり吐くことを意識して過ごしてみましょう
私がお産をとる時に一番使う言葉は、
「息を吐きましょうね」です
体重を増やしすぎない
過度な体重増加は、
- 陣痛がうまくつかない
- 軟産道が狭くなる
- 赤ちゃんが大きくなりすぎる
などの不都合が生じます
妊娠中はバランスよく食べて
体重コントロールをしましょう
体力作り
出産という激しい活動に耐えるために、
そして陣痛と合わせて「いきむ」ために、
妊娠中は体力作りをしておきましょう
ウォーキングやストレッチなどの軽い運動は
全身の筋肉や関節を柔らかくして出産を助けます
分娩進行中は、
食べられるものを食べ、飲める物を飲み、眠れるときは眠る、を意識して
うまく体力を作りましょう
陣痛がつらくて、食べられなくなる方は多いです
食べやすくて高カロリーなゼリーやチョコレート、あめなどを準備するといいですね
赤ちゃんの順調な成長を助ける
赤ちゃんや胎盤などの順調な成長のために、
それを妨げてしまうようなことは控えましょう
赤ちゃんや胎盤については
お母さんにはどうしようもできないこともたくさんあります
それらでご自分を責める必要はありません
自分ができる最大限の努力をする、
これが大切なことです
「自分が育てて産むんだ」という気持ち
まずは、お母さんの気持ちの安定がとても大切です
助産師として働いていると、妊娠や出産を前向きにとらえることは、出産やその後の育児に影響するなぁと感じます
妊娠中は、リラックスして過ごしまししょう
それには周りの協力も必要です
家事を手伝ってもらったり、お話をしたり、マッサージしてもらったり、
経産婦さんでしたら上の子のお世話を助けてもらうなど、
家族の皆さまにも協力してもらいましょう
そして、どんなお産にしたいのかを考えてみることをお勧めします
これをバースプランといいます
どんなことでもいいのです
例えば、
「呼吸法頑張りたい」
「音楽やアロマを焚いてリラックスした環境で過ごしたい」
「できるだけ家族と過ごしたい」
「助産師さんに優しくリードしてもらいたい」
「写真を撮りたい」
などです
家族と一緒に考えることもいいですね
これを出産する産院の助産師に伝えておきましょう
分娩進行中は、
痛みからつらくて逃げ出したくなるかもしれません
そんな時は家族や助産師へ気持ちを吐き出していいのです
そして自分を落ち着かせましょう
助産師は誠心誠意、皆さまをサポートいたします
でも皆さまの頑張りなしには分娩になりません
どれだけ弱音を吐いてもいいので、
育てるのも産むのも自分なのだ、と気持ちを強く持つことが大切です
まとめ:経腟分娩に大切なのは『分娩の4要素』
経腟分娩をするために大切な『分娩の4要素』は、
でした
そしてそれらがうまく機能するためにできることは、
でした
これからも妊娠・出産・育児についての記事をあげていきますので
一緒にお勉強していきましょうね
読んでくださりありがとうございます
今日はこの辺で
さやえんどうでした
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